報酬額の掲示と計算、標識の掲示など
宅建業者は、依頼を受けて契約をまとめますと、依頼者に対して報酬を請求できます。宅建業者は、事務所の見やすいところに報酬額を掲示しなければなりません。報酬は、無制限に請求できるものではありません。上限があります。計算方法(試験では、下記の速算法で処理いたしましょう)は、以下の通りです(消費税込み)。
・取引額が200万円以下の場合は、取引額×5%×1.1
・取引額が200万円を超えて400万円以下の場合は、(取引額×4%+2万円)×1.1
・取引額が400万円超の場合は、(取引額×3%+6万円)×1.1
上記の計算方法で算出された額が、売買の媒介契約の場合で片方の依頼者から受領できる最高額です。
取引の一方のお客さんからいくら報酬をもらえるかという計算式では、例えば売主A買主B間の、本体価格1,000万円の建物売買契約を業者Cが媒介したとしますと、取引価格が400万円以上ということで、取引価格の1,000万円に3%をかけて、6万円をプラスするという速算式が使えます。そうしますと、CがABそれぞれからもらえる報酬額の上限は、36万円ということになります。
ここで、Cが課税業者である場合は、消費税分10%を上乗せできますので、36万円×110%で、合計396,000円もらえます。Cが免税業者である場合は、4%を上乗せできますので、36万円×104%で、合計374,400円もらえます。この順番で計算する方法が宜しいかと思います(宅建業者が受領することのできる報酬額については、免税業者であっても、みなし仕入れ率として4%を受領できることになっています)。
賃貸契約の場合は、消費税課税業者の場合は、賃貸料の1月分の金額に消費税を加えた額が受領できる報酬額の上限となります。
また、宅建業者は、事務所等においては、業者である旨の標識を掲示しなければなりません。重要なことは、事務所と案内所では、掲示する標識が異なるという点です。また、標識の代わりに宅建業の免許を掲示しても、標識の掲示義務を満たしたことにはなりません。
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【従業者名簿】
宅建業者は、その事務所ごとに、従業者名簿を備えなければなりません。そしてこの従業者名簿は取引の関係者から請求があったときには、その
者に閲覧させなければいけません。保存期間は、最終の記載をした日から10年間。
【帳簿の備付け】
宅建業者は、その事務所ごとにその業務に関する帳簿を必ず備えなくて
はなりません。そして取引のあったつど、所定の事項を記載します。
保存期間は帳簿閉鎖後、原則5年間、業者自ら売主となる新築住宅では10年間。
【標識の掲示】
宅建業者は、事務所及び専任の宅建士を設置しなければならない案内所等にはこの標識を掲示しなければなりません。また専任の宅建士を設置しない一定の場所
(継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で事務所以外のもの、一団の宅地建物の分譲を案内所を設置して行う場合にあってはその案内所など)に
も標識を掲示する必要があります。
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