意思表示は、”内心の意思”を相手に表示して伝える行為!
意思表示のうちで、心裡留保とは、“じょうだん”ということです。冗談で、「自分の所有している土地を、安く売りますよ。」と、相手に伝えたとしまして、相手が本気に捉えてしまったと。このような冗談は原則有効、相手方が悪意又は有過失であれば無効です。
次は通謀虚偽表示(相手と示し合わせた、仮装の契約行為のことなのデス)です。
通謀虚偽表示の例としましては、例えばある土地を所有しているA子が、B子から多額の借金をしているときに、どうにもその土地以外に、もはやめぼしい財産がないという場合、B子がこの土地に目を付けてしまってはやばい、と感じたA子が、財産隠しで仲間のC子に架空の売買契約を持ちかけて、その土地をC子名義に移転させて、一芝居打ったといたします。ほとぼりが冷めた頃、A子はC子から土地を返してもらおう、というわけです。このような契約は、そもそも無効ですが、そこは悪巧みをしたA子の仲間であるC子にも抜け目はありません。C子は、自分にその土地の名義があることを良いことに、何にも知らない善意(※)のD子に、その土地を売却して逃げてしまいました。青くなったのはA子です。さて、A子は、A子とC子の間の契約の無効をD子に主張して、土地を返してもらえるでしょうか?
答は、×です。どう比べても、悪いことを考えたA子よりも、善意のD子を保護するのは当たり前のことです。
更に、その第三者が悪意だった場合はどうでしょうか。A子とC子の間の土地売買契約が無効であることを知っていて取引に入ってきた、ということですね。この場合は、その第三者は全然かわいそうではありませんので、保護されません。
さて次、錯誤(さくご)とは、勘違いのことです。人間誰でも、勘違いをするということは考えられますし、わざと勘違いをして自分に不利益な契約を結ぶといったことはありませんので、錯誤による意思表示は”取り消しうる行為”とされています。”勘違いして、変な契約をしちゃった、どうしよう・・・”という場合は、あとで取り消すことができるという訳です。便利ですね。でも、意思表示の表意者に重大な過失があって錯誤の意思表示を行なったという場合は、例外的に表意者からその意思表示の取消しをすることは原則できません。相手が、こちらの勘違いに気付いていたとか、おんなじように勘違いしていたという場合であれば、なお取消しが可能となります。ケースバイケースで考える、ということです。
※【善意】ある事実を知らないこと。 【悪意】ある事実を知っていること。
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【心裡留保】 善意の第三者には、無効を対抗できません!!
【通謀虚偽表示】 善意のD子には、無効を対抗できません!!
【錯 誤】 表意者が善意・軽過失だったときは → 重過失ではないので、錯誤による契約の取消しができます!! | |